2024年10月25日
「正当防衛」という言葉を聞いた事があるかと思います。
日本の司法にも、正当防衛という概念が存在しており、「急迫不正の行為に対して、止むことを得ずにいでたる行為は罰しない」と定められています。
しかし、日本の法廷では正当防衛を「行為」と「結果」として判断することになっており、行為として正当防衛であったとしても、被害の結果を結果論として評価する性質があります。
例えば、
「面識のない人から突然殴られた」「身を守るために応戦した」ケースですが、先制攻撃者が怪我を負い(傷害)、本質的な被害者が無傷(暴行)であった場合には、加害者と被害者が入れ替わり、本質的な被害者が過剰防衛による障害罪として加害者の立場に立たされる可能性があります。
別の判例でも、
自宅でアルコール中毒の父親が酒を飲んで泥酔しており、包丁を持って実の娘に迫った際に、身の危険を感じた小学生の娘が父親を突き飛ばしたところ、泥酔していた父親は転倒し、打ち所が悪かったのか死亡する事例がありました。
一般的な社会的通念においては完全に正当防衛だと思われますが、結果論として父親は死亡(傷害致死)で娘は無傷ですから、過剰防衛による傷害致死罪として、小学生の娘が有罪になる判例も存在します。
日本のガラパゴス法廷は、行為よりも結果に重きを置くむきがあるようです。
このように、実質的に自衛の権利を認めていない日本ですが、窃盗等の被害においては、92年前に制定された「盗犯等防止法」が定めるところによって、正当防衛の基準が引き上げられる可能性があります。
在日外国人犯罪者や「とくりゅう」による強盗被害にあう前に、一読してもらいたいと思います。
1929年に65件の強盗と30件の窃盗を繰り返した「説教強盗」により、当時の政府が「盗犯等防止法」(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律)を、1930年に帝国議会に急ぎ立案され、同年に成立・施行させました。
本制定の目的は、正当防衛の成立要件を緩和することで、経済不況により昭和初期の強盗事件多発をきっかけとして制定された盗犯等防止法となります。
〇盗犯等防止法
1条では刑法36条の特例として、強盗や窃盗に対する被害者側の正当防衛の成立範囲を拡大しました。
1条1項
(1)盗犯を防止しようとするとき、または盗品を取り戻そうとするとき
(2)凶器を持ったり、門戸や塀を乗り越えたり壊したり、鍵や鎖を開けたりして人の住居などに侵入する者を防止しようとするとき
(3)ゆえなく人の住居などに侵入した者や、要求を受けても人の住居などから退去しない者を排斥しようとするとき
-の三つの場合に、自己または他人の生命、身体、貞操に対する現在の危険を排除するために犯人を殺傷したときは罰しないとしている。
1条2項
上記の三つの場合には、自己または他人の生命、身体、貞操に対する現在の危険がなくても、行為者が恐怖,驚愕、興奮、ろうばいによって現場で犯人を殺傷したときは罰しないと定めている。
水戸市内の土産物店で盗みに入ったとされる男性を取り押さえる際に首を圧迫して死亡させたとして、重過失致死容疑で書類送検された元同店会長の男性について、盗犯等防止法に基づき、不起訴処分としました。
判例2
大阪地裁2002年3月
大阪市住吉区のマンションに窃盗目的で侵入したとみられる無職男を包丁で刺殺したとして殺人容疑で送検された会社経営者の男性について、殺意を否認したことから大阪地裁は傷害致死容疑に切り替えて捜査をしてきたが、同年5月、盗犯等防止法に基づき不起訴処分としました。
判例3
福岡地裁は2000年3月
福岡市で1999年7月、元会社員男性が自宅に押しかけてきた知人の首を絞め死亡させたとして殺人罪に問われた事件で、福岡地裁は無罪判決を言い渡しました。
福岡地裁の裁判長による判示
「深夜に突然自宅に侵入され、蹴られて左目が見えなくなった被告が恐怖を感じ、慌てたのは当然」
「大柄で体格差のある被害者から極めて強度の暴行を一方的に受け、被害者を押さえ続けなければ反撃される恐れがあった。やむを得ない行為だった」
「盗犯等防止法の適用を認め、正当防衛が成立する」
強盗の撃退目的であれば、必ずしも正当防衛が認められるわけではない事に注意してください。
戦後の日本よりも、戦前の昭和政府の方がより「国民の身を守る権利」を認めていたことは何を意味するのでしょうか
戦後日本の国民主権が聞いて呆れます